トラックの中には、荷台部分のコンテナを自由に脱着できる「脱着ボデー車」と呼ばれる種類があります。その中でも特に注目されるのが 「マルチリフト」 です。
マルチリフトは、L字型のアームを使ってコンテナを簡単に着脱できるトラックの一種で、建設業や産業廃棄物の運搬、物流業界など幅広い分野で活躍しています。
今回は、マルチリフトの特徴や用途、他の脱着ボデー車との違い、導入するメリット・デメリットなどを詳しく解説 していきます。
マルチリフトとは？脱着ボデー車の仕組みを解説
マルチリフトは、トラックの荷台に L字型のアーム を備えた脱着ボデー車の一種です。
このアームを利用して、地面に置かれたコンテナを引き上げて荷台に載せたり、荷台から降ろしたりすることが可能です。
この仕組みにより、荷物の積み下ろしをスムーズに行えるため、作業効率が大幅に向上します。
🚛 マルチリフトの主な特徴
- 荷台のコンテナを簡単に脱着できる
- アームの操作はリモコンやジョイスティックで行える
- 荷台を傾けてコンテナ内の積荷を一気に降ろせるダンプ機能付きのモデルもある
- コンテナを交換することで さまざまな用途に対応可能
例えば、午前中は建設資材を運び、午後は産業廃棄物を回収する など、1台のトラックで異なる業務を効率よくこなすことができます。
マルチリフトの主な用途
マルチリフトは、様々な業種で利用されています。以下のような場面で活躍しています。
🔹 建設業界：資材の運搬・回収
🔹 産業廃棄物処理：コンテナを交換することで異なる廃棄物に対応
🔹 物流業界：荷物の積み替えを効率化
🔹 農業分野：作物や農機具の運搬
特に 廃棄物回収や資材運搬の現場では、マルチリフトの効率の良さが評価され、導入が進んでいます。
マルチリフトを導入するメリット
マルチリフトを導入することで得られるメリットを詳しく見ていきましょう。
✅ 1. 1台で複数の用途に対応
トラックの荷台部分にコンテナを固定していないため、異なる用途に対応可能 です。
例えば、「午前は食品配送、午後は廃棄物運搬」 というように、コンテナを入れ替えるだけで業務内容を変更できる ため、車両の稼働率を向上させることができます。
✅ 2. 燃費の向上
コンテナを外した状態で走行できるため、不要な重量を減らし燃費を向上させることが可能 です。
特に、空荷の状態での走行が多い場合は、通常の固定式荷台トラックよりも コスト削減に貢献 できます。
✅ 3. 荷物の積み降ろしがスムーズ
通常のトラックでは、荷物を積み降ろす際にフォークリフトなどの機械を使う必要がありますが、マルチリフトならアーム操作のみで積み降ろしが可能 です。
これにより、人件費や作業時間を削減し、効率的な物流を実現 できます。
✅ 4. 特別な免許が不要
マルチリフトは、フォークリフトやクレーンのように 特別な免許を必要としないため、誰でも操作可能 です。
そのため、運転手の確保がしやすく、導入のハードルが低いのもメリットの一つです。
マルチリフトのデメリット
マルチリフトには多くの利点がありますが、導入に際して注意すべき点もあります。
❌ 1. 初期コストが高い
通常の固定式荷台トラックと比べて、マルチリフトは特殊なアームや油圧装置を備えているため、車両価格が高くなる傾向 にあります。
そのため、導入前にコストと利便性のバランスを考える必要があります。
❌ 2. メンテナンスコストがかかる
アームや油圧機構が多く使われているため、定期的な点検やオイル交換などのメンテナンスが必須 になります。
適切なメンテナンスを行わないと、アームの動作不良やオイル漏れが発生する可能性があるため、維持費も考慮する必要 があります。
❌ 3. コンテナの保管スペースが必要
コンテナを交換して使用するため、コンテナの保管スペースを確保しなければならない という課題があります。
特に 複数のコンテナを運用する場合は、十分な保管スペースを確保できるかどうか事前に確認することが重要 です。
マルチリフトと他の脱着ボデー車の違い
マルチリフトは、HIAB（ヒアブ）社の製品名ですが、同じ仕組みを持つ脱着ボデー車には、以下のような種類もあります。
🚛 アームロール（新明和工業製）
🚛 フックロール（極東開発工業製）
これらは基本的に同じ機能を持っており、メーカーによって名称が異なるだけ です。
また、他の脱着ボデー車には 「ロールオン」「グランデッカー」 など、異なる脱着方式を採用したモデルもあります。
用途に応じて、最適なタイプを選ぶことが重要です。
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まとめ
🔹 マルチリフトは、荷台のコンテナを着脱できる脱着ボデー車の一種。
🔹 1台で複数の用途に対応し、作業効率の向上や燃費の改善に貢献。
🔹 導入コストやメンテナンス費用はかかるが、長期的な運用で大きなメリットを生む。
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