トラックのデジタルタコグラフ(デジタコ)とは?義務化や導入のメリットを解説!

運送業界では、車両の運行管理を徹底するために「デジタルタコグラフ(デジタコ)」の導入が進んでいます。
トラックの走行時間や速度、距離を正確に記録し、労務管理や安全運行の向上に役立つデジタコですが、その仕組みや義務化の状況について詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか?

今回は、デジタコの基本的な役割や、アナログ式タコグラフ(アナタコ)との違い、さらには導入のメリット・デメリットまで詳しく解説します。
トラックを運行管理している方やデジタコの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください!


デジタルタコグラフ(デジタコ)とは?基本の仕組みを解説

デジタコとは?

デジタコとは「デジタルタコグラフ(Digital Tachograph)」の略称で、トラックやバスなどの運行情報をデジタルで記録・管理する装置です。
主に以下のような情報を自動で記録します。

走行速度:安全運転の管理
走行距離:運行ルートの最適化
運行時間:ドライバーの労務管理
急加速・急減速:安全運転の指導
エンジン回転数:燃費管理や車両のメンテナンス

これらのデータは、SDカードやクラウドサーバーに保存され、企業の運行管理や行政機関への報告資料として活用されます。


デジタコの種類と特徴

デジタコには3つの主要タイプがあり、用途や目的に応じて選択することが重要です。

① 単機能型デジタコ

▶ 記録機能を「速度・距離・時間」のみに限定した最もシンプルなデジタコ。
▶ 低コストで導入しやすく、小規模な事業者にもおすすめ。

② 標準型デジタコ

▶ 速度・距離・時間の記録に加え、ドライブレコーダーとの連携が可能。
▶ 運行管理の精度を上げながら、コストも比較的抑えられるバランスの良いタイプ。

③ 多機能型デジタコ

▶ 燃費データの分析、アルコールチェック、GPS連携など高度な機能を搭載。
▶ 企業全体の業務効率化や安全対策に活用できるが、導入費用が高額になりやすい。


デジタコとアナタコ・ドラレコの違い

🔹 デジタコとアナログ式タコグラフ(アナタコ)の違い

項目 デジタコ アナタコ
記録方法 デジタルデータ(SDカード、クラウド) チャート紙(紙に記録)
記録内容 速度・走行距離・運行時間・エンジン回転数・急加減速 速度・走行距離・運行時間のみ
データ分析 すぐに確認可能(PCやクラウドで解析) 紙の記録を手作業で解析
コスト 高め(導入費用あり) 安い(初期費用が抑えられる)

デジタコは記録の精度が高く、管理や分析が容易なため、現在はアナタコに代わり主流となっています。

🔹 デジタコとドライブレコーダー(ドラレコ)の違い

項目 デジタコ ドラレコ
記録内容 走行速度、走行距離、運行時間、燃費管理 映像・音声(事故やあおり運転対策)
目的 運行管理、労務管理 事故防止、証拠記録
記録方法 SDカード・クラウド SDカード・クラウド

最近では、デジタコとドラレコを統合した製品も登場しており、安全運行管理の精度を向上させることが可能です。


デジタコの義務化について

どのトラックにデジタコが義務付けられている?

国土交通省は、安全運行のために特定の車両にタコグラフの装着を義務付けています。

📌 2015年までの基準
➡ 車両総重量 8トン以上 または 最大積載量 5トン以上 のトラックに装着義務。

📌 2015年以降の基準
車両総重量7トン以上 または 最大積載量4トン以上のトラック に義務化。

📌 2017年以降の基準
既存の事業用普通自動車(7トン以上 or 最大積載量4トン以上) にも義務化。

デジタコが適切に機能していない場合、運行記録計不備の違反として罰則が科される可能性があります。


デジタコ導入のメリット・デメリット

メリット

運行管理の効率化
➡ 走行データが自動記録され、ドライバーの労務管理や燃費管理が簡単になる。

安全運転の促進
➡ 急加速・急減速の記録が可能なため、安全運転指導に活用できる。

事故リスクの低減
➡ 速度超過や過労運転の防止につながる。

事務作業の削減
➡ 運行日報を自動作成でき、管理の負担が軽減される。


デメリット

導入コストがかかる
➡ 特に多機能型デジタコは高額になる。

ドライバーのストレス
➡ 常に監視されていると感じ、運転の自由度が低くなる可能性も。


まとめ

デジタコは、トラックの速度・走行距離・運行時間を記録するデジタル管理装置。
アナログ式よりも正確な記録が可能で、クラウド連携などの新機能も充実。
トラックの運行管理を効率化し、安全運転を促進するメリットがある。
国の規制により、特定のトラックには装着が義務付けられている。

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