オールテレーンクレーンとは?その特徴や用途を詳しく解説!

建設現場で欠かせないクレーン車。
用途や現場の状況に応じて、さまざまな種類のクレーンが使い分けられています。

その中でも、舗装道路から未舗装の不整地まで対応できる「オールテレーンクレーン」は、
高い走行性能と吊り上げ能力を兼ね備えた万能クレーンとして注目されています。

本記事では、オールテレーンクレーンの特徴や用途、メリットについて詳しく解説していきます。


オールテレーンクレーンとは?その特徴をチェック

オールテレーンクレーン(All Terrain Crane)は、舗装道路・不整地のどちらでも走行できる移動式クレーンです。
通常のトラッククレーンと異なり、多軸駆動・多軸操舵を採用することで優れた走行性能を発揮します。

また、吊り上げ能力も強力で、高所作業や大型建設プロジェクトにおいて重要な役割を果たします。

✅ 1. どんな地形でも走行可能

オールテレーンクレーンの最大の特徴は、その名の通りあらゆる地形に適応できることです。
舗装道路だけでなく、山道や砂利道、ぬかるみなどの悪路でも安定した走行が可能です。

これは、**「多軸駆動」「多軸操舵」**のシャシ構造により、走行性能が向上しているためです。
そのため、都市部から山間部の建設現場まで、幅広い環境で活躍できます。

✅ 2. 高い吊り上げ能力

オールテレーンクレーンは、車体が大きく頑丈な構造をしているため、
最大700トンもの吊り上げ荷重を持つモデルも存在します。

そのため、高層ビルの建設、大型設備の据え付け、橋梁工事など、
大規模な建設現場で特に重宝されるクレーンです。

✅ 3. クレーン操作用の専用運転席を搭載

一般的なクレーン車は、走行とクレーン操作を1つの運転席で行いますが、
オールテレーンクレーンには走行用とクレーン操作用の2つの運転席があります。

これにより、クレーン操作時の視界が広がり、作業の安全性と効率が向上します。

✅ 4. 高い安定性

オールテレーンクレーンは、最大で8軸16輪の大型設計となっており、
高所作業時の安定性が非常に優れています。

吊り上げ時の振動や揺れを抑えられるため、精密作業が必要な現場でも活躍します。


オールテレーンクレーンの主な用途

オールテレーンクレーンは、大規模な建設プロジェクトやインフラ整備に適しています。
具体的な活用シーンを見ていきましょう。

✅ 1. 高層ビル・大型施設の建設

オールテレーンクレーンは、数十階建ての高層ビルや商業施設の建設現場で活躍します。
大きな資材や鉄骨をスムーズに吊り上げることができ、作業の効率が向上します。

✅ 2. 橋梁・高速道路の工事

橋や高速道路の建設・修繕では、大型のコンクリートブロックや鉄骨の吊り上げが必要になります。
オールテレーンクレーンなら、重量物を安定して運搬できるため、工事の安全性が高まります。

✅ 3. 風力発電の設置

風力発電のタービンやブレードの設置作業にも使用されます。
高さ100mを超える風車の組み立てにも対応可能なモデルがあり、
再生可能エネルギーの普及においても重要な役割を担っています。


オールテレーンクレーンの最新技術と進化

近年、オールテレーンクレーンは軽量化・安全性の向上が進んでいます。
ここでは、最新の技術について解説します。

✅ 1. 軽量化の進化

公道を走るクレーン車には、重量制限があるため、
メーカー各社は軽量化を進めながら吊り上げ能力を向上させています。

例えば、大手メーカー「タダノ」は、新素材の採用により、
従来モデルより最大40%の軽量化に成功しました。
これにより、移動コスト削減・燃費向上にも貢献しています。

✅ 2. 安全技術の向上

軽量化に伴い、クレーン操作時の**「たわみ」や「荷振れ」が課題となります。
そこで、メーカーは最新の
自動補正システム**を導入し、
吊り上げ時の荷振れを最小限に抑える制御技術を搭載しています。

経験が少ないオペレーターでも、より安全に作業できる環境が整いつつあります。


オールテレーンクレーンとラフタークレーンの違い

オールテレーンクレーンと混同されやすい「ラフタークレーン」との違いを整理しましょう。

✅ ラフタークレーンとは?

ラフタークレーン(正式名称:ラフテレーンクレーン)は、
不整地での走行に特化したクレーン車です。

狭い現場や市街地の工事などで活躍する小型クレーンとして使われています。

✅ 2つのクレーンの主な違い

特徴 オールテレーンクレーン ラフタークレーン
運転席 走行用・クレーン操作用の2つ 1つの運転席で操作
サイズ 大型(最大8軸16輪) 小型でコンパクト
吊り上げ能力 最大700t以上 100tクラスまで
走行速度 高速道路で80km/h以上可能 法定速度50km/h以下

オールテレーンクレーンはパワフルで汎用性が高い一方、ラフタークレーンは狭い現場での機動力が魅力です。
用途に応じて使い分けることが、作業の効率化につながります。


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まとめ

🔹 オールテレーンクレーンは、舗装・不整地どちらも走行できる万能クレーン!
🔹 高層ビル建設、橋梁工事、風力発電設備などの大型現場で活躍!
🔹 軽量化・安全技術の進化により、今後も需要が拡大!
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