トラックを購入すると、企業の経費として計上する際に「減価償却」を考慮する必要があります。
特に中古トラックの耐用年数がどのように計算されるのか、正しく理解しておくことが重要です。
また、長くトラックを使い続けるためのメンテナンス方法や、耐用年数が過ぎた後の運用についても知っておくと安心です。
本記事では、中古トラックの耐用年数の算出方法、減価償却の計算方法、そしてトラックを長持ちさせるコツまで詳しく解説します！
中古トラックの耐用年数とは？基本の考え方
耐用年数とは、トラックや機械などの資産を、どれくらいの期間使用できると判断するかを示すものです。
これは法律（税法）で定められており、企業がトラックを経費計上する際の重要な基準となります。
新車トラックの耐用年数（法定耐用年数）
耐用年数は、トラックの種類や用途によって異なります。
🚛 貨物自動車（一般的なトラック）
- ダンプ式トラック：4年
- ダンプ以外のトラック：5年
🚛 運送業・貸出用トラック（運送会社・レンタカー・教習所など）
- 大型車（排気量3L以上）：5年
- 小型車（積載量2t以下）：3年
🚛 特殊用途車（ミキサー車・レッカー車など）
- 小型車（排気量2L以下）：3年
- その他の車両：4年
中古トラックの耐用年数は、この「新車時の耐用年数」を基準に計算されます。
次の章で、中古トラックの耐用年数を求める方法を詳しく解説します。
中古トラックの耐用年数の計算方法
中古トラックの耐用年数は、「新車時の法定耐用年数」に基づき、以下の2つのケースで計算方法が異なります。
1. 耐用年数がすでに過ぎている場合
新車の耐用年数がすでに経過している中古トラックは、以下の計算式で耐用年数を求めます。
計算式
👉 法定耐用年数 × 20% = 中古トラックの耐用年数（ただし2年未満は一律2年）
例：耐用年数5年のトラックの場合
5年 × 20% = 1年（2年未満のため、一律2年）
2. 一部の耐用年数が経過している場合
新車トラックの耐用年数がまだ一部残っている場合は、以下の計算式で求めます。
計算式
👉 （法定耐用年数 − 経過年数）+（経過年数 × 20%）= 中古トラックの耐用年数
例：新車時の耐用年数5年、購入時点で3年経過した中古トラックの場合
（5年 − 3年）+（3年 × 20%）= 2.6年（小数点以下切り捨てで2年）
これらの計算式を使うことで、中古トラックの耐用年数を求めることができます。
中古トラックの減価償却とは？計算方法を解説
減価償却とは、トラックの資産価値を年数に分けて経費計上する方法です。
トラックは1年で価値がゼロになるわけではなく、耐用年数に応じて少しずつ費用を計上していきます。
減価償却には「定額法」と「定率法」の2種類があります。
✅ 定額法（毎年同じ額を計上する方法）
定額法では、購入費用を耐用年数で割り、毎年一定額を経費計上します。
計算式
👉 （取得費用 ÷ 耐用年数）= 毎年の減価償却費
例：200万円の中古トラック（耐用年数5年）の場合
200万円 ÷ 5年 = 40万円（毎年の経費計上額）
※最終年度は1円を残して計上するルールがあります。
✅ 定率法（最初に多くの金額を償却する方法）
定率法は、初期の経費計上額が大きく、後半は減っていく方法です。
資産の減価償却率を使って計算します。
計算例（500万円のトラック、耐用年数5年、償却率40%の場合）
- 1年目：500万円 × 40% = 200万円
- 2年目：（500万円 − 200万円）× 40% = 120万円
- 3年目：（500万円 − 320万円）× 40% = 72万円
- 4年目：（500万円 − 392万円）× 40% = 43万円
- 5年目：最低保証額（54万円）
定率法は、最初の数年間で大きな金額を経費計上できるため、節税対策として使われることが多い方法です。
中古トラックの耐用年数を延ばす方法
法律で耐用年数は決まっていますが、トラックの寿命を延ばして長く乗ることは可能です。
1. 定期的なメンテナンスを実施する
✅ エンジンオイルの交換（小型：2万km、大型：4万kmごと）
✅ タイヤの交換と空気圧チェック（摩耗やひび割れを定期確認）
✅ 錆びや傷の補修（特に冬季の融雪剤対策が重要）
2. 運転方法を工夫する
🚛 急加速・急ブレーキを避ける
🚛 最大積載量を超えない（ギリギリではなく余裕を持たせる）
🚛 エンジンが温まる前に無理な負荷をかけない
これらを意識することで、トラックのパーツ摩耗を抑え、寿命を延ばすことができます。
まとめ
🔹 中古トラックの耐用年数は、新車の耐用年数を基準に計算される
🔹 耐用年数が過ぎた場合でも、計算式に基づいて経費計上が可能
🔹 減価償却は「定額法」と「定率法」の2種類があり、節税対策としても重要
🔹 定期的なメンテナンスと適切な運転でトラックの寿命を延ばせる
耐用年数が過ぎても、適切に管理すればトラックは長く使えます。
また、減価償却期間が終了したタイミングで、新しいトラックに買い替えるのも一つの選択肢です。
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