ダンプトラックと聞くと、砂利やアスファルトを運ぶ大型の車両を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、一口にダンプといっても、実はさまざまな種類があります。
その中でも、**「Fゲート（Lゲート）ダンプ」**と呼ばれるタイプがあるのをご存知でしょうか？
Fゲートダンプは、通常のダンプと異なり、荷台の扉（テールゲート）の開閉方式が特徴的なダンプです。
本記事では、Fゲート（Lゲート）ダンプの特徴や用途、乗る前の注意点、さらには他のダンプとの違いについて詳しく解説します。
Fゲート（Lゲート）ダンプとは？その特徴とメリット
ダンプトラックは、荷台を傾けて積み荷を一度に排出できる車両です。
通常のダンプでは、荷台のテールゲートが上部を支点に開く構造になっていますが、Fゲート（Lゲート）ダンプは下部を支点にして開く構造になっています。
この特殊な開閉方式により、以下のようなメリットがあります。
✅ スムーズな積み下ろし
通常のダンプでは、大きな岩やアスファルトなどが引っかかってしまうことがあります。
Fゲートダンプならテールゲートがフラットになるため、大きな積み荷も引っかかることなくスムーズに排出可能です。
✅ 多様な用途に対応
Fゲートダンプは、岩石や大型の土砂、アスファルトの運搬に最適です。
特に舗装工事現場や採石場などで活躍することが多いダンプトラックです。
✅ Lゲートと呼ばれる理由
テールゲートが開く際の形状がアルファベットの「L」の形に見えることから、「Lゲートダンプ」とも呼ばれています。
また、「フラット（Flat）」の頭文字を取って「Fゲート」とも呼ばれることもあります。
その他のダンプの種類と特徴
Fゲートダンプ以外にも、さまざまな用途に応じたダンプがあります。
ここでは、代表的なダンプの種類を紹介します。
① リアゲートダンプ（一般的なダンプ）
- 後方に荷台を傾け、後ろのテールゲートが開いて荷物を排出するダンプ
- 土砂や砂利の運搬に適しており、最も一般的なダンプ
- Fゲートダンプとの違いは、テールゲートの開閉方式
② サイドダンプ・三転ダンプ
- サイドダンプ：荷台を横に傾けて積み荷を排出する
- 三転ダンプ：後方・左右の3方向に荷台を傾けることができる
- 現場の状況に応じて、荷物を効率よく下ろせるのが特徴
③ ローダーダンプ
- 荷台を後ろにスライドさせ、重機などの積み下ろしができるダンプ
- 土砂だけでなく、建設機械の運搬にも適している
④ 土砂禁ダンプ
- 土砂を積んではいけないダンプで、荷台が深く設計されている
- 軽量でかさばるもの（ペットボトル・チップ・牧草など）の輸送に向いている
Fゲート（Lゲート）ダンプに乗る前に確認すべきポイント
Fゲートダンプを運転する際は、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。
特に、「自重計の点検」と「過積載の防止」の2点が重要です。
① 自重計の定期点検を忘れずに！
Fゲートダンプには、積載物の重量を計測する「自重計」が搭載されています。
これは、過積載を防ぐための重要な装置であり、年に1回の定期点検が義務付けられています。
✅ 対象となる車両
- 車両総重量が8t以上
- 最大積載量が5t以上
✅ 点検時に必要な書類
- 自動車検査証
- 自重計技術基準適合証（前回の検査時に発行されたもの）
✅ 予約が必要な場合もあるため、早めの準備を！
② 過積載のリスクを理解する
過積載とは、法定の積載量を超えて荷物を運ぶ行為を指します。
Fゲートダンプのような大型車両では、一度に多くの荷物を運びたいという理由で過積載を行うケースが見られますが、これは違法行為であり、多くのリスクを伴います。
✅ 過積載の危険性
- 積み荷が不安定になり、荷崩れや事故のリスクが増加
- タイヤの破裂やブレーキ性能の低下につながる
- 道路へのダメージが大きく、周囲の住民にも影響を及ぼす
- 違反者には、運転手・運送会社・荷主に対して厳しい罰則が科せられる
✅ 過積載の罰則
- 違反点数の加算 & 罰金
- 車両停止処分や免許停止の可能性
- 運送会社の運行管理責任者の資格剥奪
- 荷主が違反を知っていた場合、再発防止命令が出される
このように、過積載は重大なリスクを伴うため、適正な積載量を守ることが何よりも重要です。
定期点検を受けた自重計を活用し、安全な運行を心掛けましょう！
Fゲート（Lゲート）ダンプは多用途に活躍！安全運転が鍵
Fゲートダンプは、一般的なダンプとは異なる開閉方式を採用し、大きな岩やアスファルトの運搬に適したダンプです。
フラットなテールゲートがスムーズな積み下ろしを可能にし、工事現場や採石場などで多く活用されています。
しかし、大型のダンプであるがゆえに、自重計の定期点検や過積載防止といった基本ルールを守ることが不可欠です。
ドライバーはもちろんのこと、運送会社や荷主も含めて、安全な運行を徹底する必要があります。
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