大型トラックにクレーンを搭載した「クレーン車」は、重量物の吊り上げや運搬作業を一台でこなせる便利な働く車です。建設現場や物流業界では欠かせない存在となっており、そのサイズや機能によって用途が異なります。
中でも、大量輸送や高所作業が求められる場面では、大型クレーン車の活躍が不可欠です。本記事では、大型クレーン車の種類や特徴、そして代表的なメーカーのラインナップについて詳しくご紹介します。
大型クレーン車とは？用途に合わせた選び方が重要！
クレーン車は、トラックの荷台にクレーンを架装した車両であり、主に荷物の積み降ろしや建設現場での資材運搬に使用されます。
トラックのサイズは小型・中型・大型に分かれていますが、大型クレーン車は車両総重量11t以上、または最大積載量6.5t以上の規格を持ち、大容量の荷物の運搬や高所作業に対応できるのが特徴です。
クレーン車を選ぶ際には、次のポイントを押さえておくと、用途に合った最適な一台を見つけやすくなります。
✅ 車両総重量 – 吊り上げる荷物の重さに対して十分な強度があるか
✅ ブームの長さと段数 – 高所作業が必要な場合は長いブームが必要
✅ アウトリガーの有無 – 安定した作業を行うための支持脚の装備
✅ ラジコン操作の可否 – 遠隔操作の有無で作業効率が大きく変わる
✅ クレーンの吊り上げ能力 – 作業内容に応じた適切な能力が必要
特に、大型トラックのクレーン車では、吊り上げ重量が2.93t以上になることが多く、その場合は車両総重量20t～25tのトラックを選ぶことが推奨されます。
クレーン車の種類 – 搭載位置や機能の違い
クレーン車は、クレーンの搭載位置や作業方法によっていくつかの種類に分類されます。
① キャブバック型
運転席の後ろにクレーンを搭載するタイプ。荷台の前方で作業を行うため、比較的安定した作業が可能です。
② ハイアウトリガー型
車両を持ち上げて安定させるアウトリガーを装備し、より大きな荷物を安全に吊り上げることができます。建設現場や高所作業に最適です。
③ 荷台内架装型
荷台内部にクレーンを設置しており、狭い場所でも活躍できるコンパクトな設計。スペースの限られた現場に適しています。
作業内容や環境に応じて、最適なクレーン車を選びましょう。
クレーン車の主要メーカーと特徴
クレーン車は、トラックメーカーだけでなく、クレーンの架装を専門とするメーカーが製造していることが多いです。ここでは、代表的なクレーンメーカー「タダノ」と「古河ユニック」について紹介します。
タダノ – 世界的なクレーンメーカー
タダノは、1948年に創業した建設用クレーンの世界的トップメーカーです。クレーン車や高所作業車などの特装車を幅広く製造しています。
✅ 代表的なクレーンラインナップ
- カーゴクレーン（Zest EXシリーズ、Zest Safetyシリーズ）
トラックのキャブ後部にクレーンを搭載した積載型トラッククレーン。操作性と環境性能を重視したモデルが揃っています。 - オールテレーンクレーン
舗装路・未舗装路の両方で使える高機動型クレーン。狭い現場での作業に適しています。 - ラフテレーンクレーン
自走式で狭隘地や不整地でも高い機動力を発揮。1つの運転席で走行とクレーン操作が可能。 - クローラクレーン
クローラー（履帯）を装備し、不整地での作業が可能な大型クレーン車。
タダノのクレーン車は、日本国内だけでなく海外でも高い評価を得ています。
古河ユニック – 日本を代表するクレーンブランド
古河ユニックは、トラッククレーン市場で圧倒的なシェアを誇る企業です。クレーン付きトラックは「ユニック車」とも呼ばれ、業界のスタンダードになっています。
✅ 代表的なクレーンラインナップ
- ユニッククレーン（URG500シリーズ、URU600シリーズ）
小型から大型まで幅広いラインナップがあり、建設現場や物流業界で幅広く活用されています。 - ユニックパル
人間の腕のように自由に動かせるクレーン。林業や廃棄物処理業でも使用されます。 - グラップルローダ
木材運搬に特化したクレーン。俊敏な操作性と高い耐久性が特徴です。 - オーシャンクレーン
海上での作業に対応した防錆性能に優れたクレーン。
古河ユニックのクレーンは、耐久性と操作性のバランスが良く、多くの企業に採用されています。
大型クレーン車の活躍シーン – さまざまな業界で活用される理由
大型クレーン車は、以下のようなさまざまな業界で活躍しています。
✅ 建設現場 – 鉄骨や資材の搬入、高所作業に使用
✅ 物流・運輸業 – 重量物や大型貨物の積み下ろし
✅ 林業・農業 – 木材の運搬や農機具の移動
✅ 災害復旧 – 瓦礫の撤去や緊急物資の搬送
特に、吊り上げ作業を効率化し、短時間での荷役作業を可能にするクレーン車は、作業現場の生産性向上に大きく貢献しています。
まとめ – 目的に合ったクレーン車を選ぼう！
大型クレーン車は、作業内容に応じて適切な車両を選ぶことが重要です。タダノや古河ユニックといった信頼できるメーカーの車両を選ぶことで、安全性や作業効率を向上させることができます。
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