冷蔵冷凍車は、生鮮食品や医薬品など、温度管理が必要な荷物を安全に輸送するための重要なトラックです。その冷却方式には大きく分けて「サブエンジン式」と「直結式」の2種類があり、それぞれの特徴や利便性に違いがあります。
今回は、冷蔵冷凍車の「サブエンジン式」と「直結式」について、それぞれの特徴や違い、メリット・デメリットを詳しく解説します。冷蔵冷凍車の購入や買取を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
サブエンジン式とは?
サブエンジン式の冷蔵冷凍車は、車両を動かすメインのエンジンとは別に、冷蔵冷凍機専用の小型ディーゼルエンジンを搭載しています。この専用エンジンが独立して作動することで、トラックのエンジンが停止している間も冷却機能を維持できるのが最大の特徴です。
サブエンジン式のメリット
- エンジン停止時も冷却可能:メインのエンジンを切っても、サブエンジンが稼働するため、長時間の待機中でも荷物の品質を保つことができます。
- 強力な冷却能力:直結式と比較して冷却性能が高く、低温設定も可能なため、生鮮食品や冷凍食品の長距離輸送に向いています。
- 停車中でも冷却維持が可能:配送先での荷下ろしや長時間の停車時でも、温度管理が安定しているため安心です。
サブエンジン式のデメリット
- 燃料消費が多い:サブエンジンを別途搭載するため、その分の燃料が必要になり、燃費が悪くなる傾向があります。
- エンジン音が大きい:サブエンジンの作動音が大きいため、夜間や住宅街での使用時には注意が必要です。
- トラックの重量が増加:エンジンを2基搭載するため、車両重量が増え、積載量が減少する可能性があります。
直結式とは?
直結式は、トラックのメインエンジンをそのまま冷蔵冷凍機の動力として利用する方式です。一般的に小型〜中型トラックに多く採用されており、シンプルな構造が特徴です。
直結式のメリット
- 軽量で燃費が良い:サブエンジンを搭載しないため、車両の重量が軽く、燃料消費が抑えられます。
- 静音性が高い:トラックのエンジンを利用するため、サブエンジン式よりも作動音が静かで、夜間や住宅地での運行に適しています。
- コストが抑えられる:エンジンが1基のみのため、サブエンジン式よりも維持費やメンテナンスコストを削減できます。
直結式のデメリット
- エンジン停止時は冷却できない:トラックのエンジンが止まると冷蔵冷凍機も停止するため、長時間停車する配送には不向きです。
- 冷却能力がやや劣る:サブエンジン式と比べると冷却性能が低く、長距離輸送や極低温を必要とする食品輸送には向いていません。
- アイドリングが必要:荷物の温度管理のために、長時間アイドリングする必要があるケースがあり、燃料消費が増える可能性があります。
どちらの冷蔵冷凍車を選ぶべき?
冷蔵冷凍車を選ぶ際は、輸送する荷物の種類や運行形態に応じて最適な冷却方式を選ぶことが重要です。
- 長距離輸送・低温管理が必要ならサブエンジン式:生鮮食品や冷凍食品の輸送、長時間の停車がある配送業務では、サブエンジン式の方が安定した温度管理が可能です。
- 短距離輸送・コスト重視なら直結式:都市部の配送や、比較的温度管理が厳しくない荷物を運ぶ場合は、燃費やメンテナンスコストが抑えられる直結式がおすすめです。
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