トラックのエンジントラブルの中で「オーバーヒート」はよく知られていますが、その逆の「オーバークール」はあまり馴染みがないかもしれません。
オーバークールとは、エンジンが冷えすぎることで異常を引き起こす状態を指します。
この状態が続くと、エンジンの焼き付きや燃費の悪化、最悪の場合、走行不能になることもあります。
本記事では、オーバークールが発生する原因や予防策、対処法について詳しく解説します。
トラックを安全に運行するために、ぜひ最後までお読みください!
オーバークールとは?どんな症状が出るのか
オーバークールとは、エンジンが適切な温度まで上昇せず、冷えすぎた状態が続くことを指します。
通常、エンジンの温度は適正範囲(約80~100℃)で制御されるように設計されていますが、何らかの原因で冷却しすぎると、エンジンの性能が大きく低下してしまいます。
オーバークールが発生するとどうなる?
オーバークールになると、トラックには以下のような症状が現れます。
🚛 燃費の悪化:エンジンが冷えたままだと燃焼効率が悪くなり、燃費が低下する。
🚛 黒煙の発生:燃料が適切に燃焼せず、黒煙(スス)が増える。
🚛 エンジンオイルの劣化:オイルが硬くなり、潤滑性能が低下する。
🚛 エンストしやすくなる:エンジンが温まらず、走行中にエンジンが止まることがある。
🚛 ヒーターが効かない:エンジンの熱を利用するヒーターが正常に作動しなくなる。
🚛 エンジンの焼き付き:冷えすぎによる金属の収縮でピストンが固着し、最悪の場合、エンジンが動かなくなる。
特に「エンジンの焼き付き」は深刻な問題で、修理が必要になるケースも多いため注意が必要です。
オーバークールが起こる主な原因
では、なぜオーバークールが発生するのでしょうか?
主な原因を2つご紹介します。
1. ラジエーターの故障
ラジエーターは、エンジンを冷却するためにクーラント(LLC:ロングライフクーラント)を循環させる役割を持ちます。
しかし、ラジエーターに異常があると、必要以上にエンジンを冷却してしまい、オーバークールを引き起こすことがあります。
▶ ラジエーター故障の原因
- クーラント漏れ:冷却液が不足すると、エンジンが適正な温度を維持できない。
- キャップやガスケットの劣化:冷却液の圧力が維持できず、冷却効果が不安定になる。
- パイプの詰まりや破損:正常な冷却が行えなくなる。
定期的な点検とクーラントの補充・交換が重要です!
2. サーモスタットの故障
サーモスタットは、冷却水の流れを制御する部品で、エンジンの温度に応じて開閉します。
このサーモスタットが故障すると、冷却水が常に流れ続け、エンジンが適温に達しない状態になります。
▶ サーモスタットの故障による影響
- エンジンが温まりにくい
- ヒーターが効かない
- エンジンオイルが硬化し、潤滑不良を起こす
サーモスタットは比較的安価な部品(交換費用は1~2万円程度)ですが、放置するとエンジンに大きな負担がかかるため、異常を感じたらすぐに交換を検討しましょう。
オーバークールを防ぐための予防策
オーバークールを防ぐためには、日常的なメンテナンスと適切な運転が重要です。
1. ラジエーターの定期点検
✔ クーラントの補充・交換:劣化した冷却液は性能が低下するため、2年ごとに交換が推奨されます。
✔ ラジエーターの目視チェック:液漏れやホースのひび割れがないか確認する。
✔ ラジエーターキャップの点検:キャップが緩んでいると冷却システムに影響が出るため、しっかり閉まっているか確認する。
2. サーモスタットの点検・交換
✔ エンジンの温度が適正範囲内であるか確認
✔ 10万km走行ごとに交換を検討(サーモスタットは消耗品のため)
3. 冬場の運転前に十分なアイドリング
特に寒冷地では、エンジンをかけてすぐに発進するとオーバークールになりやすいため、アイドリングでエンジンを温めてから走行することが大切です。
オーバークールが発生したときの対処法
もし、走行中にオーバークールの症状が出た場合は、以下の方法で応急処置を行いましょう。
1. ラジエーターの冷却効果を抑える
冷却を抑えるために、**フロントグリルを塞ぐ(段ボールなどを利用)**ことで、外気が直接ラジエーターに当たるのを防ぐことができます。
ただし、一時的な対策なので、すぐに整備工場で点検を受けることが重要です。
2. アイドリングでエンジンを温める
寒冷地では、アイドリング状態でエンジンを温め、適正な温度まで上昇させてから走行しましょう。
3. 速やかに修理・点検を依頼する
オーバークールが頻繁に発生する場合は、ラジエーターやサーモスタットが寿命を迎えている可能性があるため、速やかに修理工場で点検を受けることをおすすめします。
まとめ|オーバークールは早めの対策が重要!
🚛 オーバークールとは、エンジンが冷えすぎることで異常を引き起こす状態。
🚛 燃費の悪化・黒煙の発生・エンジン焼き付きなどのリスクがある。
🚛 主な原因は「ラジエーターの故障」と「サーモスタットの不具合」。
🚛 日常的な点検とメンテナンスで未然に防ぐことができる。
🚛 異常を感じたら、すぐに点検・修理を行うことが重要!
エブリィでは、トラックの買取りや整備に関するご相談を承っております!
オーバークールの症状が見られる場合は、修理や買い替えを検討するタイミングかもしれません。
ぜひお気軽にご相談ください!
中古トラックの売却を検討されている方はエブリィのかんたん買取査定もしくは海外委託販売をぜひご活用ください。
「あなたのクルマを、必要としている国へ」
トラック買取・車買取・トラクター買取・自動車輸出・貿易コンサルティング
株式会社エブリィ