重機(建機)の耐用年数とは?実際の寿命や減価償却の考え方を解説!

建設現場や工事現場で活躍する重機(建機)は、高価な設備投資の一つ。
企業の財務管理や減価償却の計算を正しく行うためには、重機の「耐用年数」を理解しておくことが重要です。

しかし、**「耐用年数と実際の寿命は違うのか?」「中古の重機はどう計算すればいい?」**といった疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、重機の耐用年数の基本から、実際の寿命、中古重機の耐用年数の計算方法、減価償却のポイントまで詳しく解説します。
これから建機の購入や売却を考えている方は、ぜひ参考にしてください!


重機(建機)の耐用年数とは?実際の寿命とは違う?

「耐用年数」とは、固定資産が使用できると法律で定められている年数のことです。
これは実際に使用可能な期間(寿命)とは異なり、企業が減価償却を行う際の基準となります。

国税庁の定める法定耐用年数は、重機の種類によって異なります。

✅ 重機の種類別 耐用年数

重機の種類 用途 耐用年数
油圧ショベル・ホイールローダー・ブルドーザー 林業・鉱業・採石業・建設業・港湾運送業用 5年
油圧ショベル 廃棄物処理用 8年

つまり、新品で購入した建機の耐用年数は上記の期間とされ、企業の会計処理においてこの年数に基づき減価償却が行われます。


重機(建機)の実際の寿命はどれくらい?

耐用年数はあくまで法定上の年数であり、実際に使用可能な期間(寿命)とは異なります

例えば、ブルドーザーの寿命は3,000〜4,000時間とされていますが、使用頻度やメンテナンス状況によって大きく変わるのが特徴です。

こまめなメンテナンスを行えば、法定耐用年数を超えて長く使用できる
過酷な環境で使用されると、耐用年数よりも短命になる可能性がある

定期的な点検や部品交換を行うことで、耐用年数を超えても十分に使用できるケースも多いため、適切な管理が重要です。


中古の重機(建機)の耐用年数はどうなる?

中古で購入した建機は、新品とは異なる方法で耐用年数を算出します。
税務処理では、**「簡便法」**という方法を用いて中古重機の耐用年数を計算します。

✅ 計算式

(耐用年数 - 経過年数)+(経過年数の20%)= 中古建機の耐用年数

⚠ ただし、計算結果が2年未満になる場合は、一律「2年」として計算されます。

✅ 具体例

5年前に製造された油圧ショベル(法定耐用年数:5年)を中古で購入した場合

matlab
5年 - 5年)+(5年 × 20%)= 1年

→ 1年未満となるため、耐用年数は2年として適用されます。

3年前に製造された油圧ショベルの場合

matlab
5年 - 3年)+(3年 × 20%)= 2.6年(小数点以下切り捨てで2年)

耐用年数は2年

このように、中古の建機は新品とは異なる耐用年数が適用されるため、購入や売却時に確認が必要です。


減価償却と耐用年数の関係とは?

減価償却とは、購入した重機の費用を耐用年数にわたって分割計上する会計処理のことです。
建機は高額な資産となるため、一括で経費計上するのではなく、法定耐用年数に応じて減価償却が行われます。

減価償却の計算方法には、**「定額法」と「定率法」**の2つがあります。

✅ 定額法(毎年一定額を減価償却)

取得価額 × 規定の償却率 = 毎年の減価償却費

特徴:毎年同じ金額を経費計上するため、会計処理が分かりやすい。


✅ 定率法(未償却残高を基に減価償却)

未償却残高 × 規定の償却率 = 毎年の減価償却費

特徴:初年度の償却費が多く、年々減少する。早めに経費を計上したい場合に適している。

⚠ 定率法を選ぶ場合は、税務署に「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する必要があります。


耐用年数を把握して適切な資産管理を!

重機(建機)の耐用年数は、法的な耐用年数と実際の寿命が異なります。
新品購入時は、法定耐用年数に従い減価償却を行う
中古購入時は、簡便法で耐用年数を計算する
定額法・定率法のどちらかを選んで減価償却を行う

耐用年数を正しく理解することで、適切な資産管理や会計処理が可能となり、経営の安定につながります。


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