トラックにはさまざまな部品が搭載されており、それぞれが重要な役割を果たしています。その中でも、 大型トラックやダンプカーにとって欠かせない部品が「トラニオン」 です。
トラニオンはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、 車両の安定した走行を支えるサスペンションシステムの一部 であり、特に ツーデフ車(後輪二軸駆動車) には必須の構造です。
しかし、トラニオンは普段目にする機会が少なく、 適切なメンテナンスや交換方法を知らない方も多い でしょう。
そこで今回は、 トラックのトラニオンとは何か、役割やメンテナンス方法、万が一故障した際の対処法まで詳しく解説 します!
トラニオンとは?その役割と構造
トラックの 「トラニオン(Trunnion)」 とは、 トラニオン式サスペンションの中心部にある金属製の軸 を指します。
この部品は トラックの後輪二軸(ツーデフ車)に搭載され、車軸を支えながら車体の安定性を確保する役割 を担っています。
もともとトラックの車軸は前後に1本ずつでしたが、 積載量を増やすために後輪の車軸を増やす設計が求められた 結果、開発されたのが トラニオン式サスペンション です。
🚛 トラニオンの主な構造と特徴
✅ リーフスプリング(板バネ)をトラニオンシャフトで固定し、両端に車軸を設置するシンプルな設計
✅ シーソーのように動き、路面の凹凸に対応しながら荷重を均等に分散
✅ 少ないパーツで構成されており、故障しにくい
✅ 悪路や重積載時の安定性が高く、大型トラックやダンプカーに適している
この設計により、トラックが悪路を走行する際にも車体が安定し、積荷への影響を最小限に抑えることが可能になります。
トラニオンのメンテナンス方法|長寿命化のためにできること
トラニオンは耐久性の高い部品ですが、 長時間の走行や悪路の走行によって摩耗や劣化が進む ため、 定期的なメンテナンスが必要 です。
適切なメンテナンスを行うことで、 部品の寿命を延ばし、トラックの安全性を確保 できます。
① 定期的なグリスアップ
トラニオンのメンテナンスで最も重要なのは、 「グリスアップ(潤滑剤の塗布)」 です。
トラニオンシャフトは 金属同士が接触する部品であり、摩擦を軽減しないと摩耗が進行し、異音や振動の原因 になります。
🚛 グリスアップのポイント
✅ 使用するグリスは高耐久性のものを選ぶ
✅ 走行距離3万kmごと、または半年に1回を目安にグリスアップを実施
✅ ダンプや重積載トラックは、より短い間隔でメンテナンスを行う
グリスが切れると、 トラニオンシャフトの摩耗が進行し、最悪の場合は軸が破損してしまう こともあるため、 定期的な潤滑が不可欠 です。
② 異音や振動のチェック
トラニオンが摩耗してくると、 異音や振動が発生しやすくなります。
🚛 チェックすべき異常のサイン
🔹 走行中にギシギシ・ゴトゴトといった異音がする
🔹 荷重をかけた際に異常な振動を感じる
🔹 トラックの挙動が不安定になる
このような症状が現れた場合、 トラニオンシャフトやリーフスプリングの摩耗が進行している可能性 があるため、 早めに点検・交換 を行いましょう。
③ ボルトの緩みを確認
トラニオンは 長期間の使用で固定ボルトが緩むことがあります。
ボルトが緩んでしまうと、 サスペンションの動作が不安定になり、走行中の安全性が低下 するため、 定期的な増し締め を行うことが大切です。
🚛 ボルトの点検タイミング
✅ 車検時や定期点検の際に必ずチェック
✅ 悪路走行が多い場合は、3ヶ月に1回程度の点検を推奨
万が一トラニオンが故障した場合の対処法
トラニオンは頑丈な部品ですが、 摩耗が進行すると完全に故障してしまうこともあります。
トラックの安定性に関わる重要部品 なので、 異常を感じたら早めに修理や交換 を行いましょう。
🚛 トラニオン故障時の対処方法
✅ 異音や振動を感じたらすぐに整備工場で点検
✅ 走行時に異常な揺れがある場合は、無理に走行せず整備工場へ持ち込む
✅ 交換部品は必ず適合するものを選ぶ(中古部品も活用可能)
トラニオンの交換には 専用の設備が必要なため、自分で修理するのは困難 です。
また、 トラックのメーカーや車種によって部品の形状やサイズが異なる ため、 適合するものを選ぶことが重要 です。
まとめ|トラニオンの適切なメンテナンスでトラックの安全性を確保しよう!
トラニオンは、 トラックのサスペンションの中でも特に重要な役割を果たす部品 です。
特に ツーデフ車やダンプカーでは、積載量の増加に対応するために欠かせない構造 となっています。
✅ トラニオンは後輪二軸のサスペンションシステムで、走行安定性を向上させる部品
✅ 定期的なグリスアップが寿命を延ばすカギ
✅ 異音や振動が発生したら、早めに点検・修理が必要
✅ 交換が必要な場合は、適合する部品を選び、専門の整備工場で作業を依頼するのがベスト
日頃のメンテナンスを怠らなければ、 トラニオンは長期間にわたりトラックの安定した走行を支えてくれる でしょう。
安全で快適な走行のために、定期的な点検と適切なメンテナンスを心がけましょう!
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